2007年3月10日 福祉部子ども家庭課の交流会の報告

福祉部子ども家庭課の交流会の報告

2007年 3月 10日
新宿区学童保育連絡協議会

日時)2007年3月10日(金) 18:00〜20:30
場所)上落合ことぶき館
参加)子ども家庭課 6名、父母 22名

テーマ)
〜連協より〜
児 童館、学童クラブに持って欲しい質について。これまでの運営委員会での話し合いの中で、指導員のレベルにばらつきがあることが判明した。業務委託館では指 導員が次々に辞めていっており、待遇の問題も大きい。現状をそのままにしておけば、全体の質が維持されることは難しいと感じる。
学童の質について。父母から出た意見をまとめた、連協としての見解は以下の通り。
・ 子どもたちが安心して通うには職員が安定して勤めていることが大事。指導員の入れ替わりが多いことは子どもたちの安定につながらない。小学校の先生に当てはめたらどうなるか、考えればわかる。
・ 子ども支援と同時に親支援が必要な時代。若い人からベテランまで、バランスの良い指導員の配置を。
・ 子どもたちの心の痛みがわかる人が必要。結局は人。子どもに近づき、痛みを理解し、受け止め、社会に戻してあげるには 出しているサインに気付くことや、表面的でない事実を掴んでいることが大事。公設公営の学童でも同じ。
・ 様々な子の居場所になるためには遊びや手芸工作など、幅広い運営ができる人材育成と配置が必要。集団遊びができない指導員ばかりが配置されることの無いように、スキルまで掴んで欲しい。

聞きたいことは
① 担当課としてどう考え、どのようにしたいと考えているのか。研修などレベルアップの方策はどのように実施されているのか?
② 19年度からの業務委託は学童指導業務に限定して行われるが、過去の委託の問題点からどのように考えているのか?
③ 小学生までの子ども館と18歳までの児童センターに分けていく考え方について、今後の方向性は?
④ 夏休みが短縮され、学童の休館規定が合わず不利益を被った事例があった。実態的な運用を。

〜子ども家庭課より〜
(放課後子どもひろばについて説明)
質疑
保)学童との兼ね合いは?両者の利用人数に偏りが出るのでは?
(区)学童は”居場所”、学校は”遊びの場”という位置付けで、性格が違う。
保)利用者によって、スタッフの増減はあるか?
(区)増減はしない。今年度の実施状況をみて、判断したい。
保)おやつは?
(区)学校によりルールは異なるが、基本的に家でとってもらう。
保)この事業をやるなら、学童を大きくしたほうが効率がいいのでは?
(区)今回の事業は学童とは別のもの。学校施設を貴重な遊びの場として活用したいというところからきている。また国の放課後居場所事業推進の動きもあり、今回の事業となった。
保)モデル事業終了後、検証結果は報告されるか?
(区)その予定。
保)出入自由とのことだが、防犯面は?
(区) 新宿区では既に、全ての学校が閉鎖管理されている。出入自由イコール開けっ放しではない。帰路についての不安はPTAからも上がっている。地域の事情に合 わせ、対応することとなるだろう。利用は保護者から事前申請のあった日のみとし、当日ベースでの子どもの申し出による利用は認めない方向だ。

(学童の質について)
① 年6回のソーシャルワーク研修、年3回の社会福祉援助研修、事例研究など、各館につき1名を相談窓口要員とし、重点的に研修させている。他にも東京都など他団体による研修などへの参加も呼びかけている。(参加は任意)
保)思ったよりも研修が多く頼もしいと思ったが、任意の研修もあり全員が受けられていないのは残念。受講者は他の職員にフィードバックしているのか?
(区)していない。努力したい。
保)民間業者の研修はどうなっているのか?
(区)同様の研修も案内しているが、民間は委託の仕様書にもうたわせており、独自で行っている。
保)公、民問わず事例研究を共有しあうことはできないか?
(区)行うこともある。
保)ヒヤリハット事例はタイムリーに情報共有すべきでは?
(区)問題が起きた時には報告しあうことになっているが・・・。
保)実際は民間業務委託館で、報告されるべき事例がすぐに上がってこなかった事実がある。保護者としてはどの程度伝わり、どの程度生かされているのか?が知りたい。
(区)遊ばせるだけでいい、という認識でいるとするなら大間違い。様々な子どもと、その家庭環境をみていくというのがこれからの指導員であると考える。
(区)質を疑われるような指導員がいるとすれば問題だが、スキルのある素晴らしい職員であるにもかかわらず、たまたまその時の対応がうまくいかなかったということもあり、難しいと感じる。
保)子どもが傷ついているにもかかわらず「よくあること」の一言で片付けるような職員がいること自体問題だと思っている。子どもの心の変化に気付くことは大切。
保)「気付き」を促進するような指導を。親からのメッセージを受け止め、多様に対応していって欲しい。
保)以前は自分自身も「預かってくれさえすればOK」という認識でいたが、こういう時代だからこそ学童に求めるものは大きい。先生もがんばっているとは思うが、年度により当たりハズレあるという感は否めない。
保)少し前まで、館長ポストは”定年前の席”というイメージだった。子どものことを知っているとは思えないような方が就任していた。児童館や学童を抱える大事なポストなので、ふさわしい方に来ていただきたい。
(区)近年はそういうことは無いと思う。
保)館長になるにあたり、研修は?
(区)就任後にある。
保)子どもの通う小学校は開かれている。保護者からの申し出に対し、返答も対応も早い。校長自らが動いている。トップが率先して受入れる姿勢そのものが功を奏している。
(区)そのような姿勢は大切だ。
保)結果が出てからでなくても良い。ガードを張りすぎず、プロセスを見せていくことも大事だ。

保)先生側から保護者への要望は何か聞いているか?
(区)習い事が多く、帰宅時間の管理が大変という声が多い。
保)帰宅時間管理に人が取られてしまうという話は聞いている。現実を知らない親もいるので、知らせたほうが良い。あれもしてください、これもしてください、に全て従うことはないと思う。
(区)職員としてはせっかく来たのだからギリギリまで遊ばせてあげたい、と考えるらしい。
保)保護者のモラルが問われる事例もある。フィードバックしてほしい。
保)親の管理の”代理”ではダメ。
保)うちの館では年度当初に「細かいスケジュール管理はできない」と言われるが、特に苦情も出ない。ある程度の線引きは必要ではないか?
保)卒館すると、塾以外行き場がないというのが残念。放課後ひろば事業に期待する。
保)定期的にこのような会を開き、意見交換したい。

② H19年度までの委託はあえて、業務委託事業者から離れたところで区のソーシャルワークが活動する形式をとったが、実際動き出すと色々な不具合もみつかっ た。指導とソーシャルワーク業務を切り離すことは困難とわかった。そこで今回は学童クラブ事業と児童館事業という分け方となった。今後の運営形態としては 指定管理者制度も含めて考えていきたい。
保)現場に関わらないソーシャルワーカーへの疑問は連協でも以前から意見をあげていた。
(区)所属が他館であるだけで、常駐はしている。子どもたちとかかわりを持つように、区からも勧めていた。保護者からは職員が常駐することで安心感が生まれるのだろうが、区としては委託先の職員が育たないのでは?という不安もある。

③(時間の制約により別の機会に)

④夏休み短縮にあわせて規則も変更したはず。利用できなかったのは当該館の職員の理解不足と思われる。周知徹底したい。

以上(岡本)