2006年6月18日 総会議事録

第30回総会の報告
2006年6月18日

時間: 13:00〜16:30
場所:新宿区立牛込仲之小学校 多目的ホール
参加者:93名
(14父母会47名、役員10名、OB会2名、来賓3名)
(小学生17名、幼児6名、託児担当学生8名)

総会式次第)*以下敬称略
1 挨拶
2 報告
・ 2005年度活動概要
・ 学童クラブ受入れ調整
・ 民間業務委託の現状
・ 学童クラブ運営改善の要望
・ 決算および予算案
3 連絡
・ 連協大運動会について
4 フリーディスカッション
・ 学童のお迎え、どうしていますか?
・ 卒館したら?
5 2006年度役員および予算案 承認
6 閉会の挨拶

司会:千野(早稲田南) 
配布資料:総会資料冊子、各学童のおやつ献立表抜粋

発言要旨)
1挨拶
●2005年度 松永会長(中落合)
・ 本年も総会が迎えられ、多くの保護者の皆様のご尽力に感謝する。7月の都研集会では「空き地にあった大切な子どもの世界、今は学童保育に」をテーマに掲げ たが、新宿区でも近年学童の在り方が多種多様になっている。新自由主義の名の下、教育や保育の場にも「市場原理」の影響が顔を出しているのを感じる。学童 に安全ばかりを望むことなく、子どもたちの豊かな成長の場であって欲しいと願う。私たち保護者が知恵を出し合い、指導員、地域、学校、行政と繋がりあって こそ、保護者の安堵の場となる。父母会活動には様々な悩みがあると思うが、連協を“一緒に考える場”として元気をもらってほしい。(全文は総会資料を参 照)

●来賓(新宿区議会福祉健康委員会 かわの達男議員)
33年前に百人町学童クラブに息子がお世話になり、父母会活動に携わっ ていた経験がある。かぎっ子対策として始まった学童だが、子どもが生き生きと育っていくために大切な施設だと考えている。戸2小内学童新設や利用調整も、 保護者の皆さんの声があったからこそ変えることができた。これからもみなさんと共ににがんばっていただきたい。

●来賓(新宿区議会福祉健康委員会委員長 近藤なつ子議員)
保護者の皆さんには議会に何度も傍聴に来ていただいた。今回は免れた利用調整ではあるが、新宿区でも学童の需要が急増していおり、引き続き注視する必要がある。子どもは以前、早稲田南に在籍し、自身も学童クラブ(区外)に2キロ歩いて通った経験がある。
民間が全て悪いと言うことではないが、委託後も質が変わらないまたは向上するなどしっかりした基盤が確保されてこその話。戸二小内学童は来年いっぱいは区営という方向だが、次年度以降の運営については区は検討中である。ぜひ父母の意見を寄せていただきたい。

●来賓(東京都連協 田渕美香指導員(江戸川区連協)
学 童の指導員をしている。江戸川では全児童対策が行われている。一般の子も一緒に見ているので、多い時で140名にもなる。ただ「遊びにきている子」と「来 なくてはいけない子」と利用目的が根本的に違う子を一緒にみる難しさを日々感じている。現場にいる指導員たちを励まし、積極的に話し合っていただきたい。 父母の力は大きい。7月2日の東京の学童保育研修会にぜひ参加を。

●OB会長(大澤(北新宿第二OB))
様々な資料提供や「ようこそ学童保育」の発行や運動会の手伝いなど、連協の活動に携わっている。卒館してもぜひOBとしてかかわりを持ってほしい。

●各館出席者より挨拶
早稲田南町、西新宿、信濃町、薬王寺、戸山、北新宿第一、北新宿第二、北山伏、上落合、中落合、高田馬場第一、高田馬場第二、西落合、中井、

2報告 及び 質疑応答
●活動報告、来年度の予定(岡本)
(総会資料 P2参照)

●学童クラブの受入れ調整(笠間)
待機児童も止む無しという区の方針転換に対し、要望書、議会への陳情などを行った。高二には区から12月に正式に説明があり、署名は1週間で200筆を超えた。議会では各議員より積極的な意見が出され、各父母会からも要望書が提出された。
区 からは「強制はしない」「待機児は出さない」との回答を引き出し、利用調整の要請は行われたものの、結果として待機児は出なかった。しかし「撤回」されて いないということでは予断を許さない状況と認識している。(夏休み明けに)戸二小内に新たな学童ができることになったが、校庭利用など未だ不確定の事項も 多く、区にはできるだけ早めに経過について報告するように父母会から要請している。
6月23日に説明会が行われる。

Q>実際に料調整が行われたとあったが、どのように?
>A高二では9名に要請があったが、同意が得られず調整されなかった。事件続きの世情で待機児を出すということはできないだろう。

Q>撤回していないというのが気がかりだが、本来の規定ではどうだったのか?
>A これまでも区が配布する「利用のしおり」には記載されていたが、実際は行われていなかった。今回はそれを強行しようという姿勢があった。連協としては定員 オーバーでの受入れについては以前から問題視しており、増館の要望もしてきていた。その中で空き教室や土地の利用についても打診したが、教育委員会との調 整を理由に棚上げされていた経緯がある。それが今回あっさりと新設されることになった。

●民間業務委託館の現状(岡崎)
西新宿子ども館、業務委託3年目である。以前の西新宿は非常に狭く、父母会では移転を要望していたのだが、区からは移転とセットで民間業務委託が提案された。
公 募11社応募、書類選考にて9社がプレゼンに参加した。内訳は企業8、NPO法人1、社福0だった。区が設置した選考委員会では資本金の多い企業のポイン トが高かった。他にも大切なことがあるにも関わらず、区から見ると「資本が多いこと=安定した優良業者」ということになってしまうのだと実感。西新宿は結 果、企業に決定した。同時期に早稲田南町、榎町も民間業務委託となったが、西新宿と比べ現状に差を感じている。同じくプレゼンでの業者選択であったが、参 加した保護者の数が圧倒的に違ったことが大きかったかもしれない。
民間委託の場合、(コスト削減により)一般的には指導員の年齢が若くならざるを 得ず、経験不足が不安視されるが、早稲田南町いい意味で若さが生かされていると聞く。西新宿の職員平均年齢は40歳台後半であったものの、児童と関わりを 持つことがが少ない職員だったために、意思疎通が取れず、保護者も子どもも混乱を極めた初年度だったように思う。運営協議会が設置され、問題があれば業者 との契約更新の可否も視野に入れるという位置づけだった。が、実際は児童館全体について話し合う場であり、学童の問題ばかりを話せるような場にはなってい ない。委員会構成は学童保護者以外にも児童館利用者地域住民がいる。区も同席するが、積極的には関わる姿勢はない。「委託してしまえばしらんぷり」という ことなのか?エレベーターの事件もだが「コスト重視ばかり。大きな事故でも起こらないと動かないのか?」と憤りを感じる。
父母と業者との関係で は、意思疎通ができた頃に辞めてしまうという悩みがある。業務委託そのものが区との1年更新のために、業者としても有期雇用という形態にならざるを得ない という。コスト削減という視点から始まった民間委託なので、給与も抑えられ、長く勤めるのは難しい現実だ。
早稲田南のことを聞くと、委託業者に恵 まれず「運が悪かったのかもしれない」と思う。嘆いてばかりはいられないので、父母たちは今いる職員と話し合いを持ち、何とか改善をして行こうと努力して いる。やはり選ぶ段階からきちんとみていかないと大変なことになる。決まってしまってからでは遅いのだ、と痛感している。建前上、業者変更も視野に入れた 協議会が設置されても、実際に変えることは困難であり、大変な労力を要する。

Q>連協から業者選定に関しての要望はあげていないのか?
>A公募要件として、保育園のように「社会福祉法人限定で」と要請はしている。選定するにあてっては保護者側も「保育の質とは?」「学童とは?」をしっかりと考えていかなければならないだろう。
Q>運営協議会のメンバーの選考基準は?もっと該当の父母会から人数を出すことはできないのか?
A> 利用している保護者はもちろん、近隣の学校の保護者や地域で活動している方たちなど、広く呼びかけられる。定員が無いにもかかわらず、手を上げる保護者が 少ないという現実がある。年3回であっても参加はなかなか難しいらしい。連協としては「関われる方は積極的に」と父母会から出てもらっている。これまで、 連協に対し区から直接に協議会参加の要請は来なかったが、これからは必ず声をかけてもらうように要望したい。

●学童クラブ運営改善要望(三島)
(総会資料 P3、4参照)
1)この3年間で運営を改善したり、話し合いをしたこと。
・総会の時間配分の工夫 
・運営委員会開催場所を持ち回る
・会議中の託児実施
・学童保育の質についての学習
・新たな連絡体制の構築 
・おやつの献立比較
・議事録の配布
2) 18年度に重点として取り組みたいこと
・運営改善の継続
・今後も子育ての悩みや経験を話し合い、相互支援ができる場に
・私たちが求める学童の質についての学習、交流
・全国で猛烈な勢いで進み、学童が壊される悲惨な全児童対策事業が新宿に導入されぬよう努力する
・子ども家庭課との合同研究会ができるように連携を進める

●会計報告(澤田)
(総会資料 P5参照)
・ 総会資料は例年の個人的な負担を考え、外注とした。(印刷だけで十数時間の徹夜作業だった)
・ 託児の謝礼は急な人数増など状況に応じ加算した。(交通費込み)
・ 来年度は連協の要請による議会傍聴などのために欠勤する方のために「行動費」を新設する。(平日昼間に行われる議会傍聴は勤務を休んで参加することになる。今年度は欠勤扱いとなったマイナス分を個人の持出しに頼るなど、負担が大きかった。)

●各父母会の活動
<早稲田南>
お弁当実施。父母会3回、歓迎会、お別れ会、昼食会。今年度は夏休みの昼食会を増やす予定。
<西新宿>
お弁当実施。夏休みキャンプ、カレーパーティー、クリスマス会。
<信濃町>
お弁当実施(週2回程度)。父母会3回、1泊2日のキャンプ、キャンドルナイト&花火、地元のお祭りへの参加。
<薬王寺>
お弁当実施。父母会3回、親睦会、芦ノ湖キャンプ、サンバ祭り、クリスマス会などは児童館と共催。
連絡網は保護者の了解を得て作成した。
<戸山>
お弁当なし。カレーライス、お楽しみ会、お別れ会、お別れ遠足、戸山祭りへの参加。
<北新宿第一>
お弁当なし。クラブニュース月1回、夕涼み会、クリスマス会、お別れ会。
<中井>
お弁当実施。(年4〜5回)父母会3回、学童での昼食作り。
<北新宿第二>
お弁当実施。父母会3回、歓迎会、キャンプ、地元の祭りへの参加、お別れ会。
<北山伏>
お弁当実施。(週2回)父母会3回、保護者による昼食作り。
<上落合>
お弁当実施。(休み期間中は毎日)父母会3回、歓迎会、自主運営のイベントへの参加、クリスマス会、お別れ会はクラブと共催。
<中落合>
お弁当実施。(デポジット制、年間予定表を作成)ピクニック、今年度からは2クラスとなったが、特に問題なく過ごしている。
<高田馬場第二>
お弁当実施。学年別の親睦会、野球観戦、秩父一泊旅行。
<高田馬場第一>
お弁当実施。(父母会ということではなく、有志で)父母会独自の活動はあまりなく、館主導のものに参加した。民間業務委託の計画もあり、来年度は活発にしていきたい。
<西落合>
お弁当実施。父母会は月1回実施、それに合わせて毎月ニュース発行、クリスマス会、卒館生を送る会、手作りおやつの会

3フリーディスカッション
学 童の保護者の集まりである連協は制度の問題点を話し合う場であると同時に、同じ悩みを持つ親同士が気軽に話をできる場だと考えている。今日は運営委員会な どで出された2つのトピックについてフリーディスカッションしたい。学童暦の長い先輩保護者も多くいるので、ぜひアドバイスを。

① 学童のお迎え、どうしていますか?
3年生の子。毎日お迎えに行っているが「卒館後のことも考えて、そろそろ一人で帰らせる練習を始めたほうがいい」と指導員から勧められている。親自身はまだまだ不安。「一人で帰ることに慣れさせるべき」「やはり保護は必要」という2つの考えの間で非常に戸惑っている。
・ 自立はさせたいが「何かあったら?」を考えると、きつくても迎えにいってしまう。
・ 徒歩一分に所に住んでいるが、本人が強くお迎えを希望しているため毎日行っている。
・ 男の子なので、夏休み一週間試したことがある。鍵を無くすなど失敗もあったが、慣れてくれた。
・ 上の子(高3、高2)の時は学童に迎えにくる親はほとんど見られなかったが、今は多い。それだけ危ない世情なのだと思う。うちは1年生から一人が帰り。いつ親がいなくなっても大丈夫なように自立させたいという考えだ。
・ 同居の親が迎えに行っているが、本人は一人帰りを希望している。
・ 2年生になってからは本人の希望もあり、一人帰り。1年生の夏休みを気に行動が変わった。所属の学童では外遊びができないので、一人の行き帰りのひと時を楽しんでいるらしい。(不安もあるが)見守っていきたいと思う。鍵のかけ方などは普段から慣れさせた。
・ 暗くなる時期は早めの下館をお願いしている。時と場合によって帰宅方法を変えている。
・ 自立ということ以前に、ここ最近の事件を考えると「子どもを一人歩きさせない」ということを重視せざるを得ない状況だ。親が付き添えなくても、集団で行動させるようにしている。
・ 帰宅経路が非常に暗く、一人では帰らせられない。

②卒館したら?
・ 卒館は保育園から学校に入れる時と同じような不安がある。4年になるまでに徐々に教えていきたいと思う。子どもが突然はしごを外されたような思いにならないように、できるだけ不安は軽くしてあげたい。
・ 男子。学童が大好きで、通わなくなることは考えられない感じだったが、3年生の1月に骨折し、自宅で留守番する経験をした。これを機に自宅での過ごし方を覚えたようだ。
・ 環境や世情が大きく関係している。現在4年生の子の時は卒園後すぐに一人帰りだが、下の子は週2回程度お迎えに行っている。
・ 2年生女子。今から「4年生になるのが怖い」と言われている。一人になることへの恐怖感があるようで、長期休業中などに一人で昼食をとることに負担を感じているらしい。近くに親類もいないので、転職も考えている。
・ 4年生男子。卒館後も休みのときはお弁当を持って1日中過ごしている。
・ 「一人になるのが怖い」と言われている。
・ 上の子は障害があり6年生までみて貰える。下の子は4年生になったらどうするのだろう?との不安がある。
・ 1年生。初めての夏休みに向け、慣れさせたいと思っている。友達の家に遊びに行く機会も増え、親に世話をかけることもあるだろう。専業主婦家庭の親とどう付き合うか?少し不安。
・ 子どもは4人。卒館した3人は鍵を無くす、玄関の前で泣いていたことは各々数回あった。近所に知り合いを作り、何かの時は助けてもらえるような関係を築い ていくべきだと思う。一般の子の親との付き合いも、折々の感謝をしつつ気軽に付き合いをしていいのではないか?夏休みを過ぎると子どもは成長する。親の心 配と子どもの「自立したい」という気持ちのバランスが大切。よく話し合うようにしたい。朝食、夕食を多めに作って昼に食べるようにさせている。工夫をし、 無理しないことが大切。

3 連絡
●連協大運動会(川端)
10月29日(日) 場所については検討中。
・昨年は580名の参加があった。自分たちで手作りし、子どもだけでなく、大人も楽しめる運動会。
競技は幼児から大人まで参加できる内容になっている。例年11月3日となっていたが、学校行事もあり近年は10月第4日曜。今年は戸山小が工事期間と重なるため、牛込第一中学校を予定している。
例年通り、昼休みを利用したバザーも実施。各館でご協力をお願いしたい。
詳細は9月の運営委員会で説明する。

●メーリングリストとウェブサイト(千野)
・ 連協の活動のほとんどはこのシステムを通じて行われている。
・ このため各館2名以上の登録をお願いしているが、その他の方も登録可能なのでぜひ。
・ 主に予定と報告が流れるが、気軽に日常の情報交換もできる場にしていきたい。
・ メーリングリストはクローズドのため、登録者以外には流れない。
・ 会社によっては受信料がかかるが、携帯でも参加、閲覧可能である。

4 承認
議長選出:鈴木(早稲田南町)
監査担当:早稲田南、中落合

2005年度決算  − 拍手により承認
2006年度予算案 − 拍手により承認
2006年度役員  − 拍手により承認

5 挨拶
2006年度 片岡会長(信濃町)
様々な場面で連協の力を感じていた。これまでは傍観者として出席していたが、昨年の利用調整の問題を通じ、自分自身も何かやらなければと思った。
卒館後の話が出ていたが、個人的には隣の区が6年生まで利用できるのをみると「なぜ?」と疑問が湧き上がっている。「頑張れば新宿区でも実現できるかもしれない」との期待も強く持っており、これから積極的に活動したいと思っている。
連協としては今年度の課題として、戸二小の学校内学童、省我会の民説民営学童、西落合の民間業務委託がある。
これからも気軽に何でも話し合える場にしたいと思う。

以上
(報告:岡本)