2005年9月10日 福祉部子ども家庭課との懇談会の報告

福祉部子ども家庭課との懇談会の報告(2005年9月)

2005年 9月 10日
新宿区学童保育連絡協議会

日時)2005年9月1日(木) 19:00〜21:00
会場)上落合ことぶき館

1. 子ども家庭課 高橋課長挨拶
2. 学童保育連絡協議会 松永会長挨拶
3. 子ども家庭課参加職員紹介(支援係 鈴木、薬王寺児童館 富所、上落合児童館 静野)
4. 学童保育連絡協議会新役員紹介
5. 懇談、意見交換  

始業式当日の夜にも関わらず、各父母会から大勢の方が参加し、活発な話し合いがされました。
以下、要旨を報告します。(敬称略)

※子ども家庭課より配布された資料     
A「学童クラブ受入れ目安の設定について」   B「H18年度4月 利用予測数」

《要望事項》1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
定員オーバー館の急増を放置せず、増館などの具体化をしてください。
・増館・分館を視野に入れた対策の具体化を要望します。
・遊ぶ場や生活の場の確保のための具体策の検討を要望します。
*屋上があっても遊び場として活用されていない館もあるようです、調査検討してください。
*おやつを食べる場所の緊急避難としてことぶき館を活用させてもらうなど具体化と改善を館に任せるのではなく福祉部として取り組んでください。

<子ども家庭課より回答>
* 来年の利用予定者に対しアンケートを行った。H18年度4月利用予測(資料A)では定員925名に対し、1040名である。昨年4月が946名であったの をみると増加傾向である。これからもこの傾向が続く事を考えれば 定員オーバー館への何らかの対処が必要だと考えている。学校内や民間などへの支援も検討 していくが、施設規模に応じてクラブへの受入れの目安を定め、これを超える場合は 他館への調整を行うなど、在籍児童一人ひとりが安定的な放課後生活を送 れるような体制を目指したい。(資料B)
*屋上の利用について現状をみると、指導員が付き添い、利用している館もあるが、職員の体制がなく、安全上の理由から実施していない館も多い。
*ことぶき館は高齢者のための施設であり、その機能を優先しつつ、どのように利用できるのか?安全上の問題も含め、担当課(高齢者いきがい課)とも調整・調査していきたいと思う。
《要望事項》2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
土曜日、学校の休日、および長期休暇中(特に夏休み)の学童クラブの開始時間を、8時15分にしてください。
・子どもたちの遊び場・居場所の充実としての児童館の充実からも、子育てと仕事の両立がしやすい環境づくりからも、土曜日、学校の休日、および長期休暇中(特に夏休み)の学童クラブの開始時間を、8時15分にしてください。

<子ども家庭課より回答>
* 以前からも要望があり、父母の方々が苦労されていることは承知している。
どのようにしていけばいいのかを検討していきたい。

《要望事項》3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
児童館・学童クラブの充実のために不可欠な、連絡先などの個人情報を得るための父母会活動への理解と協働の方法についてのマニュアル作成に協力してください。
児童館・学童クラブの充実のために不可欠な、連絡先などの個人情報を得るための父母会活動への理解と協働の方法についてのマニュアル作成に協力してください。

<子ども家庭課より回答>
* 法律、条例の範囲内であれば情報提供は可能と考えている。
父母会側でマニュアル作成の際、利用目的などを明記するなどしてくれれば協力はしていく。

質疑応答・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《要望事項》1 について
・ 受入れ定員を見て、違和感がある。児童館が広くても、学童クラブとして割り当てられているのはごく僅かである。
課)必要に応じて改修も検討している。

・机上の算出だけで決めては困る。実態をよく把握する必要があるのでは?
課)実際に足を運ぶなどはしている。これまで定員枠を超えても受入れてきたが、集団としての適正規模や安全上の事を考えると、このまま受入れ続けていいのか?という所が出発点にある。

・ 「他館へ・・」と言っても、実際は不可能なのでは?学校選択制により、児童数の地域的な偏りが既に出てきている。空き教室を利用した学童を想定しているの だろうが、そもそも空きが出るような学校は児童数が減少傾向にある。こうしたことなら実情に合わない。増え続けている地域に、具体的な対策が必要。
課)資料の数字はあくまでも予測。

・過去の実績の推移を見れば 全体としても増加の傾向は明らか。運用の見直し程度ではなく、増館が必要ではないか?
課)増館ということではこれまでも富久、また下落合にも新たな学童が増える。

・学校選択導入時から配付されるようになった”学校案内”に、学童の案内も入れてみてはどうか?
親としても、通わせたい学校と学童のバランスを考えて上で選択できる。
課)管轄が違い、調整が必要だ。来年度の分はもう配付済みなので不可能だが、検討はしてみたい。

・職員の配置は?
課)児童20人に対し指導員1名という基準で配置している。児童が増えれば その都度増員していく。

・統廃合される四谷小に学童をつくれなかったのか?
課)検討はしたが、色々な事を考え合わせた結果不可能だった。すでに設計ができており、
これからの変更も難しい。

・四谷の説明会の段階で、保護者として何度も要望したが無理だった。逆に、四谷第四の跡地は利用できないのか?
課)主に地域住民が利用する施設になるので、区がそこを使えるのかどうかが不明。
話し合いはできるだろうが。

・選択制で、児童数に偏りができている現状は続くだろうし、何らかの受け皿は必要。新たな場所の確保が困難なら、学校の教室を空けさせてでも、施設を確保するくらいしてもよいのでは?
課)管轄が違うなど、難しいこともあり・・・

・内部では違っても、こちらから見れば同じ”新宿区”という認識だ。
・地域調整は 大人の考えでやって欲しくない。子どもも子どもたちなりの社会を持っている。
ぜひ集中している地域に対する抜本的な対策を。生活の場であることを考えるべき。
同じ建物内に元保育園だったフロアがあるのに、使えない。
空いている施設をもっと有効に利用できないのか?
課)(そのクラブでは)現状で受入れ可能の範囲内と考えているので、利用は考えていない。

・困ってから動くのでは遅いので、ゆとりを持って計画すべき。
・空き部屋や施設が目の前にあるにも拘らず使えないのでは利用者としては納得がいかない。
西新宿では 現に児童館が移転したためにできたスペースを保育園が利用している。なぜ、学童ではできないのか?
課)施設によっても違うが、児童館内でのスペース配分の見直しで対応できるところもある。
薬王寺は改修できる余裕がある。

・㎡だけではなく、使い勝手など実情を考えてほしい。定員オーバーでもやむなし、としてもせめて居心地が良くなる工夫をすべき。「検討します」ではなく、具体策は?

・学校内学童を2校増やすという計画が出ているが、これが統廃合がらみで空いた教室を利用するのではないのか?もともと児童数が減少傾向にある地域に増やすなら意味がない。
課)意味の無い投資はしない。

・今、現状をどうしていくのか?高田馬場第2については 具体的な対策を示してほしい。
課)この地域にはこの春から、フロンティアキッズ早稲田という民間の学童をつくった。
料金も区立と遜色ない額に見直したが、定員30名に対し、利用登録者数は3名となっている。
募集時期の遅れなどが原因と考えている。

・せっかくつくっても、何の解決になっていないのが非常に残念。こんな状態で来年度の運営は可能なのか?
課)この夏はセミナーなどのイベントを行うなど、利用者獲得の工夫はしているらしい。
が、運営はかなり厳しいと思われる。

・私は実際に説明会に行ったが、始まって数分で「行かせない」と決めた。業者の話を聞いていて不安を感じた。なぜ、フロンティアキッズに子どもたちが行かないのか、考えたことはあるか?
課)逆に「なぜ、こんなに受け入れられないのか?」を伺いたい。

・ 募集時期や値段云々が原因と考えているなら違う。新しいクラブでは無く、定員オーバーでも行かせたくなるような質が、高2では保たれているからだ。しかも それは指導員の経験と努力でギリギリ保たれているもの。このような現状にもかかわらず、区がフロンティアを高2の代わりになると認識し、つくったのなら間 違っていると思う。
・この地域に学校内学童や新たな民間学童はできないのか?
課)空き教室が無く、無理と判断。また新たな学童も考えていない。

・現にフロンティアが高2の解決になっていない現状を考えれば 早急に次の策を講じるべき。

・定員を設けることにより、受け入れてもらえない子はどうなるのか?問題を感じる。
・新宿区は”待機児童をつくらない”ということでやってきたはず。
課)これ以上増えれば 質は保たれないと考える。

《要望事項》2 について
・団体利用で早朝受入れを父母のボランティアで実施した。(西落合)が、これも限界だと思う。今年は何とかなっても来年の保証は無い。具体的な回答を。職員の勤務時間をずらすなど、工夫はできないのか?
課)単に勤務時間をずらすというわけにはいかない。特殊勤務手当てが発生するため、条例改正など
大きなハードルがある。お金が絡むので、議会にかけても通る可能性は低いだろう。

・せめて、新1年生のヤマである夏休みだけでもどうにかできないのか?
課)父母が苦労していることも承知しているので、できることは無いのかを考えたい。
実際に行っている館からでも。

・実際に行っていない館でも、ニーズはある。体制が整わず”やりたくてもできない”という現実を聞けばむしろそちらのほうが事態は深刻かもしれない。

・民営化を経験した立場から言うと、親の要望ばかりが前に出るのはどうかな、と思う。親ができることをやり、区にも努力してもらい、お互いががんばることがいいのでは?
あまりにも要望が強いと「じゃ、民間で」となり、安易に民営化を進めてしまうことにもなりかねない。

・振替休日にも、長期休業中と同様に8:45受入れをして欲しい。
課)平成16年4月より、希望により全館が実施しているはず。再周知したい。

(岡本)