第二次実行計画についてのお願い

第二次実行計画に対して全区議会議員に送付した文書は以下の通りです。

第二次実行計画についてのお願い

平成24年2月14日

 

新宿区学童保育連絡協議会
会長 園畑 由子 (公印)
http://www.shinjuku-renkyo.net/

 

こんにちは。日頃の学童保育事業へご理解ご協力頂き、ありがとうございます。私たち新宿区学童保育連絡協議会(略称:連協)は新宿区内の学童クラブの保護者およびOB・OGの集まりです。「子どもたちにより豊かな放課後を」と考え活動しています。

新宿区には公・私立あわせて28の学童クラブがありますが、現在は18の父母会とそのOB・OGが参加しています。子どもが児童館・学童クラブにお世話になっている保護者同士の交流と親睦や、区の担当課や、指導員の方たちとの定期的な協議・共同学習会などを行い、「地域の子育て拠点としての児童館の発展や学童クラブが子どもたちにとって、心豊かで楽しい生活の場として充実」していけるように、私たちなりに努力してまいりました。

去る2011年10月、新宿区第二次実行計画(案)が公表されました。これまで「新宿区では、(児童館・学童クラブ事業において)公設公営館を必ず残します」と区長は折にふれ発言されてきました。民間業務委託が始まった8年前から民間事業者との切磋琢磨によってより発展させていくとの考え方も述べられていました。

私たちも、民間業務委託反対ではなく、運営形態が変わっても質が低下しないようにしてほしいとの要望をしてまいりました。そして、当初から期待されていました社会福祉法人の事業への参加がなかなか実現しないため、児童館学童クラブ事業を以前から取り組んでおられる社会福祉法人に、ぜひ応募してほしいとお願いに訪問するなど、より良い質へ切磋琢磨が生かされるように取り組んでまいりました。

しかし本当に残念ですが、この素案では“学童クラブの充実”と言う名の下「平成27年度までに区内26館全てを公設民営にする」と一変してしまいました。

素案について私たちは、以下の意見をパブリックコメントとして出させていただきました。

①民営化は、公営館との切磋琢磨でよりよい学童クラブ・児童館事業めざすとの方針を目指し、8年前から導入されていますが、その間、切磋琢磨した具体的な結果は全く出していない認識です。今回全館民営化を打ち出す前に、その結果を公開すべきと考えます。切磋琢磨した結果、進んだと評価されている質的なレベルアップにはどのようなものがあるのでしょうか、利用時間、特に長期休み中の保育時間の延長以外には、懇談会等で語られてきたものはありません。保護者に向けたサービスの拡充としては評価できますが、子どもたちに向けた事業の質については語られていません。

 

②全館民営館にした場合、現場を知らない区の管理者が増えていく中で適切な管理が出来るか、大いに疑問です。ここ・から広場など、直営館で子どもと触れ合えるから問題ない、という区担当および区長の回答もありましたが、一次的に一般の子どもをみるのと、長時間複数名を第二の家庭としてみる学童が同じとは到底思えず、管理者育成の為にも、公設公営館を残して欲しいと考えます。様々なサービスを展開している民間企業の例を見ても、全体の質の維持と管理者育成のために直営事業(店舗)を必ずと言っていいほど保持しています。大切なことだと思います。

 

③現在までの8年間で、委託館および指定管理者制館から、区の契約料金が安い為に、指導員が定着しないという問題点が生じており、連協を通じて改善を求め、一定の改善が認められるものの、今後も同様の事象が懸念されます。契約時の料金は、施設管理費用と、指導員の質に応じた人件費を分け、定昇が可能になる適正な人件費を確保し、指導員の質が保てるよう制度自体を見直していただきたいと考えます。

 

④現在までの8年間で、委託館および指定管理者制館から、施設の改善において、区の担当者との意識の隔たりから「予算が確保できない」という名の元、改善されず、扉に手を挟む、入出時にぶつかる等の事故が放置されています。指定管理者制で、館ごと民間業者に任せるのであれば、大規模な施設改善の場合は、関連部署の適切な連携や予算確保が出来るような制度を確立し、子ども達が安心・安全に暮らせるようにして頂きたいと考えます。

 

これらの現状を見たとき、このまま全館民営化に進むことは、学童クラブ・児童館事業の健全な発展につながらないと思われますので反対します。

 

以上のような考え方は、最近言い始めたものではなく、年2回の担当課との話し合いの場で、繰り返し要望してきたことばかりです。しかし納得がいく回答も、対応策もないまま、現在に至っており、区は説明責任を果たしていないと感じます。

素案に対しても、「区長と話そう」での進言や、「パブリックコメント」へ各父母会や保護者個人から投稿をさせていただきました。しかし、何が取り入れられたのでしょうか。「皆様のご意見を元に」「ご意見をお聞かせ下さい」と言いながら、文言の修正程度で、内容的には何の改善も変更もないのでは、パブリックコメントは形だけと言われても否定できないのではないでしょうか。

私達は、いくつかでも公設公営館を残すことが質を維持し、子どもたちを守っていくために大切なことだと考えています。区は、ここ・ひろなどの直営施設に児童館機能を残すことで保てるとのお考えのようですが、学童クラブ自体の現場を持たず、児童館があるだけでは「第二の家庭」である児童館・学童クラブ指導員のノウハウや質を保つのは難しいと思います。

区の担当として管理される方に、ベテランの指導員経験者いなくなると予想される10年後、何を目安に民間業務委託先の質を見きわめ、管理・指導されるのでしょうか。これだけ一生懸命伝え続けてきた私たち区民の意見は、無視されてしまうのでしょうか。

今回の「第二次実行計画」の内容を踏まえ、区議のみなさま方に、今一度、児童行政の大切な事業の一つである児童館・学童クラブについて、ぜひお考え頂き、区議会での話し合いに生かしていただきたいとの思いから、このお願いを届けさせて頂きました。

何卒、「学童クラブの心豊かで楽しい生活の場として実現」に向け、お力をお貸しくださいます様、お願い申し上げます。

 

詳しい説明を聞きたいなど、ご希望があればお知らせいただきますようお願いいたします。