第二次実行計画に対する意見書

新宿区第二次実行計画素案に対し、連協は以下の意見を提出しましたのでご報告します。

新宿区第二次実行計画素案に対する意見書

①民営化は、公営館との切磋琢磨でよりよい学童クラブ・児童館事業めざすとの方針を目指し、8年前から導入されていますが、その間、切磋琢磨した具体的な結果は全く出していない認識です。今回全館民営化を打ち出す前に、その結果を公開すべきと考えます。切磋琢磨した結果、進んだと評価されている質的なレベルアップにはどのようなものがあるのでしょうか、利用時間、特に長期休み中の保育時間の延長以外には、懇談会等で語られてきたものはありません。保護者に向けたサービスの拡充としては評価できますが、子どもたちに向けた事業の質については語られていません。

②全館民営館にした場合、現場を知らない区の管理者が増えていく中で適切な管理が出来るか、大いに疑問です。ここ・から広場など、直営館で子どもと触れ合えるから問題ない、という区担当および区長の回答もありましたが、一時的に一般の子どもをみるのと、長時間複数名を第二の家庭としてみる学童が同じとは到底思えず、管理者育成の為にも、公設公営館を残して欲しいと考えます。様々なサービスを展開している民間企業の例を見ても、全体の質の維持と管理者育成のために直営事業(店舗)を必ずと言っていいほど保持しています。大切なことだと思います。

③現在までの8年間で、委託館および指定管理者制館から、区の契約料金が安い為に、指導員が定着しないという問題点が生じており、連協を通じて改善を求め、一定の改善が認められるものの、今後も同様の事象が懸念されます。契約時の料金は、施設管理費用と、指導員の質に応じた人件費を分け、定昇が可能になる適正な人件費を確保し、指導員の質が保てるよう制度自体を見直していただきたいと考えます。

④現在までの8年間で、委託館および指定管理者制館から、施設の改善において、区の担当者との意識の隔たりから、予算が確保できない、という名の元、改善されず、扉に手を挟む、入出時にぶつかる等の事故が放置されています。指定管理者制で、館ごと民間業者に任せるのであれば、大規模な施設改善の場合は、関連部署の適切な連携や予算確保が出来るような制度を確立し、子ども達が安心・安全に暮らせるようにして頂きたいと考えます。

これらの現状を見たとき、このまま全館民営化に進むことは、学童クラブ・児童館事業の健全な発展につながらないと思われますので反対します。