2008年12月13日 運営委員会議事録

日時 12月13日18:00〜20:30
場所 西新宿学童クラブ
司会 鈴木さん(早稲田南)
出席 28名 

①民間業務委託について

指定管理者制度による民間業務委託と同じ建物内に公営の子ども家庭支援センターがあるため、学童クラブの指導業務が民間業務委託になる館とができることになり、大変分かりにくい状態にあります。少しずつ理解整理していきたいと思います。
信濃町父母会から区議会に陳情が出されました。それにあわせて連協として区と区議会各会派宛に要望書を出しました。事実を理解し、きちんと話し合ってほしいからです。信濃町から報告を。

②各館の現状について

各館でどんな遊びがされているか。以前はごく普通に行われていたいろいろな集団遊びがあまりなくなり、イベント的な遊びや教室的なものが増えてきているように感じられます。各館でどんな状況か、そして子どもたちはなにが楽しいと感じているのかなど話し合いましょう。

①民間業務委託について

(近年の新宿区内学童クラブの民間業務委託の状況について説明)
○西新宿、早稲田南、榎町が民間に委託されて5年が過ぎようとしている。民間委託は、5年が最長で、新しい業者を選定し直すことになる。この5年間で、民間に委託されたのは先の3つに加え、西落合、百人町、戸山小内、富久小内も次々と委託された。

○ 昨年より、指定管理者制度の話しが出ていたが、次年度より、それが西新宿と早稲田南で導入されることとなった。また21年度より信濃町と榎町に虐待などを 扱う子ども家庭支援センターが入る。これは公営で、区が直営となる。中落合でこの子ども家庭支援センターはすでに行われているが、ここだけではパンク状 態。そのためさらに2箇所の設置が進められた。

○信濃町も榎町も、もともとあった学童クラブはどうなるのか?
以前、榎町は早稲田 南と同じ業者に民間委託されており、一方の早稲田南には指定管理者制度が導入される。同じ建物にある児童館に指定管理者制度が導入され、学童業務をその業 者に委託することができるため、学童クラブへの指定管理者制度導入が可能となる。しかし、榎町も信濃町も、区が直営する子ども家庭支援センターがあるた め、指定管理者制度は導入できずに、民間業務委託となる。指定管理者制度と民間委託は、保護者もはっきり分からないのだが、実は区もいまだ混乱しているよ うである。

○西新宿と早稲田南では選考委員会が開かれ、明日業者選考の第2ステップであるプレゼンテーションが行われる。(9:00〜  早稲田南 14:00〜西新宿)プレゼンは区内の人はすべて傍聴可能。業者側が話しをし、こちら側からは質問は不可。傍聴してアンケートを書くのみ。その 後、選考委員会がヒアリングをし、質疑応答する。そして1月中に業者の現場を見に行き、1月中に業者が決定される。

○プレゼンでわかることは業者の意気込み。プレゼンでは業者の名前は出さないが、事前に業者を調べた上で話しを聞いたほうがよい。またアンケートに意見を書くと、選考委員が参考意見としてみることができ、それをもとに決定する。

○ 指定管理者制度と民間委託で異なることは、指定管理者制度は区の議会の承認を得て、議会で決められるが、民間委託の場合、運営協議会を立ち上げ、毎年業者 を評価する機関があり、そこで決定される、という点。指定管理者制度となると、区の職員がまったく施設のなかに介在しなくなる。館自体が委託され、委託業 者のなかで館長を決めることとなる。区は業者におまかせになる。言葉をかえると丸投げ。区の介在がないことで足かせがはずれることになるが、財務や業務内 容を監査する態勢はある。そのためガラス張りとなると区は言うが・・・。委託業者には人件費や備品の明細を出す義務がある。区は間接的ではあるが、業務内 容をみることができるのである。

○信濃町や榎町は、区が直営の子ども家庭支援センターが館内にあるため、指定管理者制度が導入できない。今、信濃町学童クラブは、区と見解の相違のため、もめている。榎町も以下の問題があったが、クリアーし、業者選定される見通しである。
榎町でわきあがった問題とは・・・。
基本的に、区は日曜日は業務を行わない。それが榎町の争点であった。日曜日は委託業者が児童館部分を担当することとし、これまでの行事をかわらずに行うことができることで父母らは納得。

○委託の場合、エアコンやおもちゃなどの予算はどうなるのか?
建物や駆体は区のものと考え、区に言い、区が直すという手順をふむ。おもちゃなどの備品は委託費の中に含まれているので、受託業者が預けられたお金で購入する。おやつはおやつ代として予算のなかに含まれている。
指定管理者制度の場合、建物の維持、修繕費はどうか、要確認。

○12月14日早稲田南と西新宿の業者選考のプレゼンテーションが行われる。各社のプロポーザルではなにをみればよいのか?
・ 各社のプロポーザルでは、子どもたちの接し方や姿勢をみていくとよい。企業の理念として、温かく見守る、けがの場合の保証は・・・と様々な言葉が出てくる が、これは当たり前のこと。いろいろな子どもたちとどうぶつかり、どうふれあうかが大切。異年齢の集団をどうまとめ、具体的に小学校低学年の子どもたちを どうとらえ、どのように応援するかに触れているかどうかをみたほうがよい。安全や保証問題については、どこもさほど変わらないはず。
・体操が得 意、ダンスが得意・・・といった特徴があるところもあるが、たまにあるイベントにはよいが、それだけで子どもたちの気持ちを受け止めることはできないので 注意したほうがよい。毎日違っている子どもたちの顔をきちんと受け止めることができるのか。子どもの心はなにかしらみえるものがあるはず。子どもたちの気 持ちは表情に出るはず。1人ぽつんといる子に、きちんとアプローチできるかどうかが大事。
・理念と現実は違う、ということを念頭においてほしい。人にどれだけお金をかけているか、安心して働き続けられる会社か、仕事に見合った保証があるのか、安定して給料が支払われているかも。
・西新宿学童クラブはプレゼンに望むにあたっての不安な気持ちを解消するために、各社に要望書を出した。その点はよかった。なんでもできます・・・というが、その中でも差があることがわかった。
・プレゼンの段階では、まだ名前は伏せられていて、各社がアピールしたいところを5分間何でも話して良い。話す内容が決められていないので、統一性がない分、分かりづらいこともある。
・ 区側からはいちおうこんな内容の話しをしておりまぜて・・・という条件がつけられるのだが、以前実際きいたところでは各社様々であった。とてもプレゼン上 手な人もいるが、逆にそれがうさんくさく感じることもある。浮いた理念がかいてあるところはだめ。結局派遣に頼ることになる。どんなところをどこがやるの か考えていない。
・区としては数社委託業者がある。そういうふうに契約しているところは区としてはとりやすいのでは。しかし、そういうところではなく、利用者としての感性と目でとらえてほしい。
・パネルを社員に持たせて・・・という会社もあるが、社員を大事にしていない会社だという面がみられることもある。プレゼンを通してなんらかの姿勢はみえるはず。上手によどみなく話すことができても中身がやはり問題。
・日々起こる問題に触れられないのは経験がないということ。小さい子どもたちのことを知っている人は必ずそのことにふれていくはず。触れないということは知らないか、大事に思っていないか。
・ プロポーザルをきいてアンケートを記入し、出るときに回収する。すべての業者を見た人のアンケートのみ参考意見として残される。途中から、または途中まで という意見はみとめてもらえない。業者をすべて平等にみた人のアンケートしかだめ。それは業者の関係者がなりすましてくることもあるのですべて記入する必 要あり。
・何が一番大事かというと、子どもとどう接してくれるか、どう遊んでくれるかということ。この根本を見失わないようにして選べば自ずからそれはついてくる。子どもをどう育てたいかと思っているか、親も業者も手をたずさえてやっていける。

○西新宿学童クラブの状況
・ 次年度より、指定管理者制度が導入されるが、これまでは民間業務委託であった。その際、区の職員がソーシャルワーカーとして施設内にいるが、その役割が大 変曖昧であった。学童業務を民間が行う歴史が浅いため、学童業務に精通している業者はほとんどいない。そのため、起こりうる問題が多々ある。ほとんどの業 者は保育士など資格をもった人を寄せ集めた状態である。おやつにしても、子どもとの接し方にしても?の部分が多い。

・西新宿では、本来は区の職員が指導すべきことであるが、縛りがあって手をこまねいているうちにトラブルが発生したこともあった。法律に反するからと、だれもなにもしないうちに、保護者のはたらきかけがあり、やっとまともに5年目を迎えられた状況である。

・区は委託した業者にすべてまかせてしまうところがある。指定管理者制度にするとその傾向がさらに高まり、責任は業者がとることになり、区の職員がそこに介在することはできない。連協として、強くこの点には言及しているし、今後も言及していくつもりである。

★信濃町学童クラブ父母会長より、報告
これまでの経緯
20年4月 21年度からの指定管理者制度委託について説明。耐震工事について前年度には1月末に工事が終わり、2月引き渡しだったはずが、2月末まで工事、3月引き渡しとなっており、確認すると前担当者から引き継がれていないとのこと。

9月 指定管理者制度が条例に当てはまらず、業務委託に戻すとの通告あり。

10月4日 保護者会で業務委託に戻すと説明。ただし業者選定スケジュールを12月業者募集、2月業者選定と発表。以前説明を受けたスケジュールとは異なっていた。

10月半ば 区議会議員に陳情書を作成、30日から手紙送付

11月 連絡をいただいた区議および、四谷地区区議に父母会より電話で事情説明

11月15日 保護者会で、業者選定委員が各館2名ずつになり、引継が3月だったのが、2月中旬から3月に出来る限り変更すると説明。場婦負の認識不足によりスケジュールを変更するなら、業務委託の一時凍結、かなわなければスケジュール調整の要望を出す。

11月19日 保護者代表への説明があり、部長が今回の条例見落としに対して謝罪する。が凍結、スケジュール見直しはなく、これまでのスケジュールで行くことを懇願される。

11月21日 区役所に陳情書と署名(484名分)を提出して、受理。各会派に挨拶。

12月2日 区議会において信濃町学童クラブの時間延長の条例改正が採択された。つまり、民間業務委託がさけられない事実となったということ。

12月 信濃町学童クラブ父母会より業務委託への要望を区に提出

12月13日 保護者会が開かれ、要望に対する回答を説明

12月13日の要望に対する回答について

1業務委託に際し、子ども家庭部に確実に力を尽くしてほしいこと

(1)今年度いる信頼関係のある職員を1年間は信濃町、四六に各1人ずつ残し、子どもの登館時〜18時は子ども一緒に過ごさせる。子どもの様子をモニタリングし、問題発生が見受けられた際は、即日解決し、保護者へ報告する。(職員→業者への現場での指導不可能は了解済み)
(回答) 区の職員の配置は、組織の活性化や人材育成の観点から定期的に移動させることを原則に総務部が所管している事項です。所属長として、保護者の要望や当館の事情などを人事担当者に伝えていきたいと思います。また、区の職員が一定時間、信濃町と四六小内学童クラブに出向き、子どもの様子や事業者の児童指導の様子を見守り、責任者を通じて指導、助言等を行っていきます。

(2)子ども達に接する職員の人選には保護者または第三者の意見も採り入れられるような仕組みづくりを
(回答)スタッフの採用権限は事業者にあり、人選そのものに関与することはできませんが、資格や資質等を業務要求水準書に盛り込んで対応していきます。

(3)セキュリティーの強化および、モニターの設置場所の充実(1階玄関、エレベーター内、2階入り口、学童クラブ室内、4階児童館入り口、ホール、第六小内クラブやその他学童児が使用できる場所すべて)それら全モニターの子ども家庭支援センターでの監視
(回答)セキュリティーの強化は重要と認識指定マスご要望のすべての場所にカメラを設置することはできませんが、他の児童館とのバランスも考え合わせ、とくにチェックが必要と思われる場所にはカメラの設置を検討していきます。

(4)業者の財務内容のチェック機能(とくに実際勤務している職員の給与、福利厚生などについて)を果たす。
(回答)財務内容のチェックができる仕組みを仕様書に盛り込むよう事業者と協議していきます。

(5)保護者からの要望の聞き取りと業者への連絡および実行されているかの監督。
(回答)ご要望通り実施します。

(6)1学期終了までに新採用スタッフが各館2人以上辞めた場合、即日学童クラブは公設公営い戻すことを視野に入れ、再検討する。
(回答)事業者に職員の継続性がもっとも重要であることを伝え、かつ確実に履行できる事業者を、保護者の方々と選定していきたいと考えています。

2、委託業者に対し、契約書への記載項目
(1)子どもの登館前に出勤スタッフ全員参加にて子ども家庭支援センターと毎日ミーティングを実施。
(回答)スタッフ全員とのミーティングは委託契約の性質上難しいので、リーダーやサブリーダーなどの責任者とのミーティングを毎日行います。

(2)ツキにどの学童クラブだよりの発行、毎日のスケジュール(イベント、外遊び等)およびおやつ内容の結果報告(おやつは手作りを増やし、安全面内容面ともにメニューを充実)。
(回答)選定の段階で提案に盛り込まれている事業者があれば、その内容での実施を求めていきます。提案書にその内容の記載のない事業者を選んだ場合も契約に向けての確認事項として協議していきます。

(3)長期休み(夏休み、冬休み、春休み)の昼食づくりを毎週開催
(回答)(2)に同じ

(4)出欠席予定表を出した後でも当日の急な出欠席も対応
(回答)学童クラブの基本的事項として実施してきており、委託をしても変わることはありません。

(5)目安箱を毎日チェックし、先生達全体および区の職員と問題点の共有および保護者へ説明。
(回答)運営上、指導上の課題の検証、改善は委託でも直営でも必要なことです。区が指導していくとともに事業者の職員、区の職員、保護者の皆様とで協力しながら学童クラブや児童館の維持向上を図るよう努めていきたいと考えています。

(6)各館最低過半数の学童指導経験者を配置し、うち1人以上の常勤勤務とする。有資格者(保育士や看護士、教員等)が必ずスタッフの半数以上いること。また、出勤日は必ず資格を持つものが常時いること。およびスタッフの職歴、犯罪歴については業者を通じ、区も把握すること。
(回答)過半数の学童指導経験者の配置、1人以上の常駐勤務、有資格者の確保は募集要項(業務要求水準書)に盛り込み、実現可能な事業者を選定していきたいと考えています。スタッフの職歴、犯罪歴についても事業者を通じ、できる限り把握に努めて参ります。

(7)小さなけがであったも学童クラブ内で起きたけがは毎日のノートに記載して子ども家庭部へ報告し現状を把握しておく。
(回答)けがが起こった場合に迅速かつ適切に対応することはもっとも大切な責務の1つと考えています。保護者への連絡はもちろんのこと、所管課への報告もこれまでどおり、履行させていきます。

職員の常駐は法に触れるので、最初は毎日みていくように努力していきたい。またあまり元の職員がいることも新しい指導員に慣れないということも懸念されていた。

連協としても、信濃町学童クラブの状況を懸念し、区にも要望書を出したが、子ども家庭部の部長や課長とは対立路線をとるのではなく、対話をしながらうまくやっていってほしいということを願っている。
今、当該館でなくても、いずれこのような話しがまわってくる確率が高い。新宿区は公設公営の学童クラブはなくさないというが、いつ来てもあわてることのないようにみなさん心の準備をしておいてほしい。

②各館の現状について は時間がなく、話し合うことができなかったため、1月に回すことと致しました。