2008年9月17日 こども家庭部との懇談会の報告

日時)2008年09月17日(水) 19:00〜20:30
場所)区役所第一分庁舎7階 研修室
出席)父母16名、子ども家庭課5名
議事内容)
子どもサービス課 大野課長 挨拶
学童保育連絡協議会 内田会長 挨拶
子どもサービス課参加職員紹介
学童保育連絡協議会新役員紹介
要望書回答
懇談・意見交換

<資料>
要望書回答
新宿区児童館条例(S39.10.01)
新宿区学童クラブ条例(H12.03.24)
榎木町児童センター・早稲田南町子ども館の施設のあり方について
指定管理者制度の概要について

<懇談>
要望書回答について

※連協からの要望書概要は下記の通りです。要望書詳細、資料各種は連協ウェブサイトでお読み下さい。

民間委託館で次々に指導員が辞めています。予算措置も含めてきちんとした事態の解決への方策を出してください。合わせて委託館ごとに、これまで何人の指導員がどのような期間業務についていたか(何年で辞められたか)など、実態を調査して下さい。
公設公営、民間業務委託、民営を問わず、切磋琢磨するための方法と評価基準を具体化して下さい。新しく始まる指定管理者制度下で、現行のソーシャルワーカーのような区とのパイプになり、相談業務を受け持つ区の職員の配置を検討し、実現して下さい。
来年度から導入予定の「指定管理者制度」について説明資料を作成して下さい。そして、公営、民間委託、民間を問わず、学童クラブや保育園のすべての保護者に渡るようにして下さい。その上で制度変更に関する勉強会を早急に各所で行っていただくことを要望します。

質疑応答
(保=保護者、区=新宿区子どもサービス課)

要望書①について
保)西新宿では辞めていく人が絶えない。先生がかわることに、子どもたちが慣れてしまっている。辞めると聞いても泣けない。どうして民間業務委託だけがこんな状況なのか?被害を被るのは子どもたちだ。
区) 西新宿の常勤4名は確かに辞めているが、非常勤は残っている職員も居る。調査の結果3ヶ月で辞めた方が1名、あとは1年以上勤務している。今回の調査では 現在までに、榎木町9名、早稲田11名、富久3名の正規職員が辞めている。西新宿の4年間で12名が辞めるという実態は問題があると認識している。
保) 公設公営でも異動があるので職員が全く入れ替わらないことはないが、何人かは数年にわたって残っている。一人の子どもの3年間を知っている先生が居るのが 普通。個人面談でも指導員と子どもの成長について話せるのだ。3年間見守る先生が一人もいないのは異常だ。プロポーザルでは引き受ける条件に「3年は辞め ない」とするなど、具体的な策を講じて欲しい。今年度もそうだが、区の体制も変るのでわからないことも多いと思。が、トータルでみて「おかしい」と感じて 欲しい。このような状態では子どもは不安定になる。継続して見ている職員がいないことの弊害が実際に出ている。保護が無い状態におかれるのは問題だ。西新 宿での事例。毎週土曜に利用している子を 引継ぎがなかったとはいえ「学童はお休み」と伝え、返してしまった。朝9時にお弁当を持ってきている子どもの様 子を不思議にも思わず返してしまう。何も無かったから良かったが、少し考えればわかることを気付けないのでは困る。5年目になるのに、実験のようなことが 続いているのはどうか?
保)待遇改善に想定している額は?
区)職員の定着率の悪さは今回の要望書が出される前も保護者から出ていた。何が 原因か色々調べたが、一つには保護者との関わり方や対応が消極的だったことがわかった。待遇面としては経費、ベースアップを見込んだ人件費、単価アップな どの措置を講じてきている。例えば¥2000→¥2500/時間など。
今後は職員の月収を確保できるような業者を選ぶようにしたい。基準は 現在民間学童に出している補助金の額に準拠した額。業務委託費より高い水準だ。担保措置としては「辞めない」ということを約束させ圧力としたい。
保)「責任を持って館長を・・」とは?
区)指定管理者制度になったらこれまでとは違い、大きな権限ができる。それだけ責任も大きくなることを認識していただくということ。指定管理者制度では議会の承認が必要。業務委託のリーダー以上の大きな責任。経営面については運営状況の実績報告も課すことになる。
保)子どもを扱う業務は責任に応じた待遇が必要だ。区が保証するのか?
区)業者には具体的な月額報酬を提示する予定。
保)人件費をどのように使ったかを報告させるべきでは?
区)指定管理者制度ではできる。
保)委託ではできないのか?
区)必ずやっている。職員のモチベーションを高めるよう、業者を育てていかなければならない
保)問題が無ければ更新できるが、契約の基本は1年ごとになっている。変える予定は?
区)更新しないことはなかったが、長く勤めてもらう観点から5年で業者選定としている。契約としては法律上も単年度契約とならざるを得ない。
保)早稲田南と榎町は違う制度で学童が運営されることになるのか?
区)榎木町では学童は業務委託、早稲田南は指定管理者制度となるが、区との関係では同じ委託契約となる。
保)5年継続ということだが、働く側としては1年契約に変わりないのでは?
区)色々な案はあったが5年となった。よほどの問題が無い限りは基本的には継続できる制度だ。5年間は月額報酬を確保させるようにする。
保)コスト削減にはなっているのか?
区)なっている。ただし、譲れるものと譲れないものはあるので、担当部署としては守っていきたい。業務委託導入の意義として、コストも区並みにというわけにはいかないが。
保)一連の事例があり父母会でも業務委託費を精査し、結果「おかしい」となった。今回、区もそれを認めたということで良いか?
区)はい。間違いを改め改善していく。
保)区が言う「高い水準」の民間学童にいたが、職員からは「運営は厳しい」という声がある。せいがでは保育園と一定的な経営をすることで補っているが、学童単体でみれば補助金は十分ではない。高い、という実感はない。
区)せいがには見学に行った。保育園の建物にあるで、家賃としての補助は出ていない。人件費と業務費のみ。そういう点では業務委託も同じ。民間学童としては早稲田フロンティアがあるが、鶴の一声で戸塚第2小内に学童ができ、今ではギリギリの人数となっている。
保)鶴の一声とは?
区)区長。
保)学童職員の月額報酬を守らせるということだが、同じ業者が請け負うにもかかわらず児童館担当と学童担当の職員の身分保障の基準に相違が出てくるのでは?
区)そのようなことが無いようにしたい。
保)委託費の増額は今年度からできないのか?そこまで区が低いと認識していながら放置しているのはどうか?年度途中でも変えるべきなのでは?
区)年度途中は難しい。が、導入当初から比べるとかなりアップしてきている。問題は それが賃金と支払われているのかということだ。館長会などで事業者のトップと話をし、改善できると考えている。

要望書②について
保)責任を持たせるとは言うが、親も子も相談し、適切な援助ができるような職員が配置されるかどうかは甚だ疑問。現状は体操や音楽が得意、などで雇用されている職員もいる。学童は新規参入の業者が多く、そのような任務ができるような人がいるとは思えない。
区)子ども家庭支援センターは区の直営で、児童館・学童との連携も視野に各行政機関との連携を図れるようなことを考えている。仕様書では一定の資格・経験を持った職員の配置を求めている。
区の関与についてはこれまでもやってきているが、直営でない館を定期的に見回り、必要があれば協議をする職員を配置していきたい。区、業者、保護者の3者で話し合う場を作る。改善要望があればきちんと伝えていく。約束が守られないということになれば更新しない
保)ソーシャルワーカー(以下SW)という名ではないが、区の職員を配置するということでよいか?
区)常駐はできないが、見回る。
保) 気になる親子がいても、一般の保護者が踏み込んだ対応はできない。そんな時、SWのような存在が必要。実際に相談したら、学校に連絡を取ってくれたことも あり大変助かった。SWは公務員なので体制も取りやすいのだと思う。民間業者でもスムースにできるようにしていただきたい。
区)多くの方にかかわりを持っていただくことが望ましいと思うので、援助していく。
保)民間に任せるのではなく、促してほしい。
区)SWと同じような役割を持った職員の増員を検討している。業者と連携をとり問題は必ず報告してもらうようなシステム作りを考えている。
保)黙って見守るだけではなく、働きかけられるように。特に学校との調整は区の職員でも難しい時がある。民間事業者ではなおさらだ。
保)年度当初には館の担当職員を紹介してくれるのか?「見回る」ということだが、タイムリーに連絡が取れないのは困るので体制を考えて欲しい。職務上のアドレスなどがあればいいが。
区)職務上のアドレスは各職員が既に持っているので、可能だと思う。
保)何かあった時にどこに言えばいいのか?との不安がある。事が起こってからでは遅い、ちょっと気付いた時点で気軽に話せる体制が欲しい。
区)子ども家庭支援センターにも区の職員がいる。
保)目安箱のようなものを置いて欲しいと要望したことがあった。役所に直接行く前にワンクッションあったほうがいいと思う。
保)代表アドレスでもいいのであったほうがいい。そこから必要な所へ連絡を取ってもらう。メールなら時間を気にせずいつでも打つことができる。
保)早稲田南ではSWとして以前からいた職員が残ったことで運営がスムースだった。責任を持てる人がいたほうがいい。
保)学童をよく知っている人がきちんと引き継ぎ、教えていくべき。
保)アンケートをとるのはいいが、その結果を広く知らせるべきなのでは?プレゼンのアンケート結果、その反映状況も知らせて欲しい。
保)運営協議会は場が広く、話し合うことは限られている。ことぶき館と学童の共通の問題点を見つけるのは難しい。事業内容が違うので、もっと細分化してもいいのでは?いつも同じ「問題ない」という結果がでるようなアンケートでは労力の無駄だと思う。

要望書③について
保)「少なくとも導入を予定している」とは具体的にどの館か?
区)23年度までは上落合、馬場1、北1を計画している。
保)前課長も明言していたように「公設学童は残していく」ことに変わりないか?指導していくには絶対必要。保護者としては区が学童の感覚を失っていくのが怖い。
区)同感だ。経験を積み、指導していく職員が必要だということは話している。基本的には業務委託の方向ではあるが、一定数残したいと考えている。
保)業務委託された館が公設に戻るということもあるのか?
区)無いとは言えない。ただし、保護者のニーズや施設の機能転換など様々な要因が絡んで決まっているので必ずなるとは言えない。所管の部署としては訴えていきたい。戻ることはある。
保)回答に書かれていないのは「切磋琢磨する」ということの意義。たとえば集団遊び。学童指導要領にもあるにもかかわらず実施されていない。これは公設公営、委託ともにだ。大勢でルールを守って遊ぶことは子どもを成長させる。
区)これまでも子どもは集団遊びの中で社会性を身につけていたが、今後は益々必要になると考えている。
現在は児童館担当者会議で情報交換をしているが、民間事業者間ではできていないのでアンケート結果など交えて伝えていきたい。
保)守っていくべき遊びが減っていると実感している。具体的な方策を細かな事もあげて行っていくべきだと思う。指導要領と実態があまりにもかけ離れていると感じる。
区)仕様書の中で「集団遊び」を必ず入れるなどの工夫ができると思う。
保)指導員によって継続していた遊びが中断されるのも困る。
区)子どもの発達を促すような遊びをできるようにしたい。
保)ひろばができて子どもの居場所は増えたが、指導員の力量によって様々と聞いている。
子どもの生活様式が変化する中、学童という子どもたちの生活の場は残して欲しい。学校・ひろば・学童など子どもに関わる人たちの職員の交流も促して欲しい。
区)組織改変により子どものことに特化した部ができた。もとは教育委員会が管轄だったひろば事業も、同じ部で担当することになった。
保)指定管理者制度について。児童館とことぶき館はそれぞれ専門性が求められるものだが、両者の実績がある事業者は少ないのでは?プロポーザルで具体的に業者が候補に上がっても、選考段階ではかなり難しいことになるのではないかと心配している。
区)館全体の管理者としては二つの事業に精通している人にやっていただくが、事業に関わる職員はそれぞれの専門があたることになるだろう。
保)選定委員には両事業の専門家が入るのか?
保)運営協議会で事業ごとに評価が分かれた場合はどうするのか、などきちんと説明をしていただきたい。
保)初めて参加したが、なぜ今関わっている民間事業者がこの場にいないのか?実際のところはどうなのかがよくわからないので、直接尋ねたほうがわかると思う。業者に父母の思いを伝えることも大事だと思う。
区)懇談会は連協と区がの学童について話し合う場だが、現在行われているもので言えば各児童館の運営協議会がある。ただし、メンバーを限定するものではないので、みなさんの要望があれば実行はできる。
保)委託館では業者と区の業務の線引きが難しく、混乱もあるようだ。話し合う場は必要。
区)運営協議会の中では意見を交換し合っている。区はその場での指導はできないが、責任者を呼んで、別途話はできる。
※出席予定だった子ども家庭部長は本会議中のため欠席となりました。

以上